萌す月
3月になりました。
まだ空気は冷たいけれど
陽も長くなり
一歩ずつ春に近づいていることを感じます。
大好きな幸田文さんの本から引用しますが
「氷の下に春はきざし、凍て土を着ながら、
草の芽は萌えでようと用意している。
一見いま迄通りなのである。
ここを考えると私たちは、鈍感ではいられないとおもう。
春がきてから春だと思うのなどは、
迂闊とそしられてもそれで済むけれど、
健康だとばかり思っていて、
暗い病気のきざしを見すごしたり、
平安に感謝しているつもりが、
怠惰や無気力の温床だった、などという例はいくらもある。
ものの萌しには敏感であるほうがいい。」
※幸田 文『季節のかたみ』より引用
という文章がとても印象的です。
ものの萌しに敏感でありたいと思うし
患者さん方のからだの兆しにも
敏感でありたいと思います。